「myThings」というアプリを活用し、ある場所を訪れたことを条件に、自動で仕訳を発生させる方法を紹介します。
説明のポイント
- アプリ連携の自動化ツール「myThings」を使って、仕訳を作成する
- 弥生の会計ソフトで利用可能
myThingsというアプリ
ヤフージャパンが提供する「myThings」というアプリがあります。
このアプリでは、あるアプリで検知した情報をもとに、別のアプリに動作をうながすことができます。
例えば、Yahoo!天気のアプリを使い、雨雲が近づいてきたら、LINEのメッセージを自動で送信するといった使い方ができます。
myThingsは、2種類のアプリのあいだを連結する役目を果たす自動化アプリといえます。
仕訳の入力に活用できないか?
myThingsは、「指定の場所に移動した場合」という条件を設定できます。
指定地に移動した時に、スマホのGPSが条件の発生を感知して、指定のアプリを実行するわけです。
この機能を活用し、指定の訪問先に移動した場合に、会計ソフトに仕訳を送ることができるのではないか、と筆者は考えました。
myThingsが連携できるのは、指定のアプリです。しかし、クラウド会計はmyThingsが連携できる指定アプリに含まれていません。
そこで、ある工夫をこらして、弥生が提供するクラウド会計ソフトに仕訳データを転送するしくみをつくってみました。
Twitterで仕訳をつくる
結論からいいますと、次の方法で自動仕訳が可能です。
- 条件発生(トリガー):位置情報(ある場所に出入りしたら実行する)
- 動作(アクション):Twitterでツイート
Twitterを使う理由は、さきほども述べたとおり、myThingsが会計ソフトと連携できないためです。
やよいのクラウド会計ソフトは、Twitterのツイートをもとに記帳できる機能があります。そこで、この機能を活用して仕訳を転送します。
以下は、実際の設定した画像です。
左の画像は、条件発生(トリガー)の設定画面です。指定地に移動した場合の条件を設定します。
そして、右の画像はその条件が発生した場合の動作(アクション)を設定します。(詳しい設定方法は、やよいのヘルプを参照)
この条件を設定した後で、スマホをもって指定地に移動します。すると、myThingsがスマホのGPSを感知し、@yayoismartあてのツイートを自動的に発生させます。
やよいのクラウド会計は、このツイートを読み込みます。10分ほど待つと、仕訳候補が発生しました。
摘要の「交通費」をもとに、勘定科目「旅費交通費」を自動で提案してくれました。
ほかの方法はないの?
……いや、わかりますよ、みなさんのいいたいことは。なんでTwitterなのかと。他の方法はないのかと。
筆者がパッと思いついたところでは、この方法だったということです。
この方法が使えるのは、やよいのクラウド会計ソフトです。よって、他のクラウド会計ソフトでは利用できません。
もしほかに、クラウド会計ソフトと連携しているアプリがあって、そのデータをクラウド会計が仕訳として取り込めるならば、別の方法でも可能でしょう。
IFTTTでも同じことはできる
この記事では、日本発のアプリ連携ツールである「myThings」を利用しています。
この手法は、位置情報とtwitterを利用したものですので、世界的に有名な同種のアプリである「IFTTT」を使っても同じことを実現できます。
まとめ
myThingsという連携&自動化アプリを使い、仕訳を発生させる方法を紹介しました。
ここで紹介したのは、Twitterを使うという、ある種の「ウラ技」的な方法です。設定に手間がかかる上に、実用性に欠けることも否めません。
この記事は、「このようなことができる!」という研究結果をお伝えする目的で書いています。
仕訳や経費精算の入力は、自分からアクションを起こすのが当然とされていますが、視点を変えると、スマホの活用で「自動で提案する可能性」もありえるように感じました。
ちなみに、筆者は以前に、こんな記事を書いています。まさかこんな目的で、Twitterの機能を使うことになるとは思いもしませんでした。