国税庁が2023年6月23日に公表した「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像 2023-」によれば、e-Taxソフト(WEB 版)、SP版、受付システムが令和6年(2024年)以降順次、統合予定とされています。
税務ソフトの統合が予定されている
冒頭で紹介したとおり、国税庁は2023年6月23日、「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像 2023-」を公表しました。
この公表のうち、e-Taxについて触れた部分では、
e-Taxに関するソフト等の増加に伴い複雑化した導線を簡素化するため、「受付システム」、「e-Taxソフト(WEB版)」及び「e-Taxソフト(SP版)」などのソフトを統合し、利用者目線に立った導線に整理するとともに、スマートフォン・タブレット、パソコンのどちらからも利用可能とするようUI/UXの改善を行います。【令和6年以降順次】(P.12)
と案内されています。
ソフトの「建て増し」は限界に来ていた
国税庁が提供するe-Tax関係のソフトは、「e-Taxソフト(PC版)」「確定申告書等作成コーナー」「e-Taxソフト(WEB版)」「e-Taxソフト(SP版)」「受付システム」などが用意されています。
しかし、e-Taxの機能の発展にあわせてソフトや機能が分散する状態になっており、お世辞にもわかりやすい状態とはいえませんでした。
例えば、e-Taxのメッセージボックスは「受付システム」と「e-Taxソフト(WEB版)」のいずれでも閲覧できます。このうち、送信済みデータをPDFで閲覧・出力できるのはWEB版のみである一方、受付システムでのみで可能な機能もあります。
また、e-Taxソフト(WEB版)も多機能になるのはいいのですが、当初のシステムからはみ出した機能が追加されるごとに、トップページの「こちら」が増え続けるという、こちらこちら状態になっています。
デザインは「マイページ」風に統一
話は変わりますが、2023年1月に提供が開始された「マイページ」で驚いたのは、新しいデザインになっていたことです。
今回公表されたところによると、「見直しの方向性」として、スマホやパソコンのいずれからもアクセスが可能で、一本化されたソフトに統合されるようです。そして、デザインも現在の「マイページ」と同じものになりそうなイメージが掲載されています。
「確定申告書等作成コーナー」の名称はどうなる?
図を見て気になったのが、「確定申告」というボタンがあることです。この部分について、「確定申告書等作成コーナー」がどうなるのか、個人的に少し気になっています。
このボタンを押すと、ログイン状態を継続したまま「確定申告書等作成コーナー」に遷移するのでしょうか。
「確定申告書等作成コーナー」は書面作成の利用も多いことから、e-Tax系ソフトにそのまま統合されることは考えづらいですが、名称の変更があるのか気になるところです。
2021年に名称変更についてのアンケートが実施されていた経緯があるので、あくまで可能性の話です。
まとめ
国税庁が2023年6月23日に公表した「税務行政のデジタル・トランスフォーメーション-税務行政の将来像 2023-」から、e-Taxソフト(WEB 版)、SP版、受付システムの統合予定について紹介しました。
e-Taxの利便性が高まることはよいことですので、リニューアルに期待しています。
この記事は、2023年6月24日投稿記事で触れた「余談」をベースに、6月23日の国税庁の公表資料を組み合わせて、新規記事として書き直しました。