年金の一括受給で無申告加算税が課された裁決事例が出ているようです

年金を一括受給したあとの修正申告で延滞税が課された事例が、2022年に注目されました。本件に関連するものとして、無申告加算税が課された裁決事例が出ていましたので、ブログにメモしておきます。

スポンサーリンク

 

令和4年10月4日付、非公開裁決

本事例は、「税のしるべ」2023年12月18日(第3583号)に掲載されていた非公開裁決です。「税のしるべ」購読者は、インターネットでも読むことができます。

参考【非公開裁決】年金の一括受給は請求人の翻意により選択した主観的事情、通則法に規定する「正当な理由」なし(税のしるべ電子版、2023年12月18日)

概要をかいつまむと、老齢基礎年金だけを先行して受け取っていた受給者が、後日に老齢厚生年金を一括請求し、訂正された年金の源泉徴収票をもとに確定申告を行ったところ、期限後申告であることで無申告加算税が課されたということです。

争点は、申告書を法定申告期限内に提出できなかったことが、国税通則法に規定する「正当な理由があると認められる場合」に該当するか否かで、裁決としては正当な理由があるとは認められていません。

国税不服審判所の裁決要旨検索システムで表示した内容も転載しておきます。

○ 請求人は、一括して受給した前年分以前の老齢厚生年金(本件各年金)について、法定申告期限までには、本件各年金に係る源泉徴収票を受領していなかったこと、法定申告期限には、本件各年金の額も確定しておらず、本件各年金が請求人名義の口座に振り込まれた日以後速やかに確定申告書を提出していることなどから、確定申告書を法定申告期限までに提出しなかったことには、国税通則法第66条《無申告加算税》第1項ただし書に規定する「正当な理由」がある旨主張する。しかしながら、請求人が法定申告期限内に確定申告書を提出できなかったのは、請求人の翻意により本件各年金を一括して受給する選択をした請求人の主観的な事情によるものであって、真に請求人の責めに帰することのできない客観的な事情があるとは認められないから、正当な理由があると認められる場合に該当するとはいえない。(令4.10. 4 高裁(所)令4-5)

以前に紹介した事例との比較では

当ブログでは、以前に似た事例を紹介したことがあります。

最近読んだ記事で、年金の受取りについて過去分をさかのぼって一括受給をした場合は延滞税がかかることがあ...

あるFPさんの記事に触発されて意見を書いたものです。こちらの裁判では、修正申告であったために延滞税が課されたことが争点となっていました。

裁決事例では、申告をしていなかったところに、訂正された源泉徴収票をもとに期限後申告をしたことで無申告加算税が課されています。

念のための注意点として、要約では無申告だった理由は書かれていませんでした。申告の必要があったものを無申告だったのか、一括請求をしなければ申告の必要のない状態だったので申告していなかったのかは不明です。

「税のしるべ」で読める内容は要約されたものであるため、非公開裁決が他の税務データベースなどに登録されて、読めるのを待つことになります。(追記:情報公開請求を筆者でしてみます)

まとめ

以前に、年金一括受給に関する話題に触れていたので、関連記事としてのメモとして書きました。

無申告加算税が課された経緯が要約では不明な部分もあるので、引き続き関連情報があることを期待します。ウオッチリストの意味でブログに記しました。

スポンサーリンク