2019年1月から始まった確定申告の「ID・パスワード方式」では、対応ブラウザがInternet Explorer11にとどまらず、他のブラウザも対応していることに気づいたので、そのメモです。
説明のポイント
- ID・パスワード方式を利用すれば、「確定申告書等作成コーナー」はInternet Explorer以外のブラウザでもe-Taxで送信可能
ID・パスワード方式とは
2019年1月から始まった、個人の確定申告における「ID・パスワード方式」。これは、国税庁の確定申告書等作成コーナーにおいて、ID(利用者識別番号)とパスワードだけで、e-Taxが利用できるようになるという新方式です。
税務署であらかじめ本人確認を受けてIDの発行を受けることで、そのIDが「本人確認済み」の扱いとなるので、e-Taxでの送信時に本人確認としてのマイナンバーカード認証が不要になります。
この制度が導入された理由は、マイナンバーカードが想定よりも普及していないこと(2018年12月現在で12%)や、マイナンバーカードの認証が難しいスマートフォンでも、e-Taxを利用させたいという思惑があるようです。
個人の確定申告では、書面提出が依然として多い事情は以前の記事で述べました。こちらの記事もあわせてご参照ください。
なお、ID・パスワード方式が始まったといっても、従来の方式である「マイナンバーカード方式」も健在です。マイナンバーカードを使って申告時に本人確認する方法であり、従来どおりこちらが主流といえます。
引用:平成30年分確定申告特集(国税庁)
e-Tax対応ブラウザが増加している
さて、ここからが本題です。
国税庁の「確定申告書等作成コーナー」において、Windowsでe-Taxを利用する場合のブラウザは、「Internet Explorer 11」(IE)を使うのが常識とされていました。
なぜかというと、e-Taxで送信する場合、電子証明書の認証においてActiveXを利用しており、これはIEでしか対応できないという制限があるためです。
この件に関連しての話ですが、2019年1月から始まった「ID・パスワード方式」の対応ブラウザを見ると、IEにとどまらず、他のブラウザである
- Microsoft Edge
- Firefox
- Google Chrome
でも利用できる、とされていることに気づきました。
引用:平成30年分確定申告書等作成コーナーご利用ガイド(国税庁e-Tax)
「ブラウザ利用でのe-Taxは、IEを使う」というのがこれまでの常識でしたが、今後は微妙にその認識が変わりそうです。
念のために述べておくと、電子証明書を利用しない「確定申告書等作成コーナー」の書面提出では、どのブラウザでも対応しています。(書面提出はe-Taxではないことに留意)
まとめ
2019年1月から始まった「ID・パスワード方式」を利用すれば、国税庁の「確定申告書等作成コーナー」においては、IE以外のブラウザでもe-Taxで送信可能という変更点をお伝えしました。
ID・パスワード方式では、マイナンバーカードが不要な点や、スマートフォンでも利用可能という点が注目されています。
その一方で、e-Taxでの対応ブラウザが増えたという点は、地味すぎるためかほとんど周知されていないので、当ブログでお伝えしたしだいです。
(IE11以降の電子証明書の認証を国税庁はどうするのか、という点が筆者は気になっているため、e-Taxとブラウザの関係も気になっているという事情が背景にあります)