税務の話ではなく、税理士個人としての話です。
2026年1月施行の行政書士法の改正により、業務で留意すべき点がありそうなので、この点に触れておきます。
行政書士法の改正
行政書士法の改正について検索すると、いろいろな情報が表示されますが、信頼度の高い情報として総務省ホームページをリンクしておきます。
https://www.soumu.go.jp/main_sosiki/jichi_gyousei/gyouseishoshi/index.html
詳細はこちらで確認していただくとして、重要なのは「3 行政書士又は行政書士でない者の業務の制限」です。
行政書士の業務のうち、
官公署に提出する書類(電磁的記録を含む。以下同じ。)その他権利義務又は事実証明に関する書類を作成すること
について、
行政書士又は行政書士法人でない者は、他の法律に別段の定めがある場合等を除き、他人の依頼を受け、「手数料」や「コンサルタント料」等いかなる名目によるかを問わず、対価を受領して、業として行うことはできません。なお、違反した場合は1年以下の拘禁刑又は百万円以下の罰金に処されます。
とされています。(改正行政書士法第19条第1項、第21条)
行政書士法19条第1項について改正前と比較すると、「他人の依頼を受けいかなる名目によるかを問わず報酬を得て」という文言が追加されています。
改正の背景
いくつかの行政書士さんのブログを拝見したところでは、上記の改正の背景として、うさんくさいブローカーやコンサルタントが補助金の申請を勧誘・代行している状況があり、そのなかにはトラブルに至るケースもあるようです。
本来は行政書士しかできないとされている業務について、無資格者による業務を制限する目的や、実態とは異なる報酬請求をできないようにするため、要件をいっそう厳格にした…… ということのようです。
行政書士は、行政機関に提出する書類作成のプロフェッショナルですから、要件を厳格にしたことは、よいことだと思います。
税理士も要注意
この改正は、税理士も改めて注意を要することかと思います。
税理士は行政書士としての登録ができますが、その登録をしていない場合には、上記に引用した行政書士業務を行うことはできません。
近頃も、ある税理士の方が他士業の業務により報酬を得ていたことで逮捕された、と報道されています。なかなか難しい問題ですが、顧客からの要望に答えつつも、自らができないことの範囲はきちんと把握しておく必要があるでしょう。
(この行政書士法の改正は、先日お会いした大学時代の先輩から教えていただきました。税理士向けの情報ではあまり目にした記憶がなかったので、ブログに書いておきました)
電子申告や電子納税など、他の税理士さんがあまり採り上げそうにない、税務の話題をブログに書いています。オンライン対応に特化した税理士です。→事務所HP