多くの会計事務所で行われている記帳代行業務。この代行業務は今後、在宅ワーク化が進むと予想しています。
会計事務所と記帳代行
会計事務所では、お客様から伝票や領収書を預かって、帳簿の入力を代わりに担当すること(これを「記帳代行」と呼んでいます)を主要な業務のひとつとしてきました。
世間的にも会計事務所というと、領収書を預かってうまくやってくれるところ、というイメージがあるのではないでしょうか?
入力を担当するのはパートさん
会計事務所では、お客様から預かった伝票や領収書をもとに帳簿の作成を行っています。その業務を担うのは、パートタイマーがほとんどです。
これまではパートタイマーは、事務所に通勤して、事務所の内部で勤務するスタイルがほとんどでした。
しかし、今後のパートタイマーによる業務は、新しいシステムの登場で、在宅化に向かうことが予想されます。
在宅ワークを実現するシステム
▲JDLウェブサイトより
その一つの例として、昨年(2015年)7月にリリースされた、日本デジタル研究所(JDL)の「FeSERVER]を紹介します。
参照:在宅入力Fe SERVER(日本デジタル研究所(JDL))
しくみを説明します。
まず、会計事務所の内部に、JDLのサーバーを設置します。事務所の職員が、そのサーバーに、スキャンしたデータをアップロードします。
在宅ワーカーは、自宅から会計事務所のサーバーにアクセスします。そして、スキャンされたデータをもとに帳簿を入力します。
このように在宅ワーカーは、会計事務所に出勤する必要はありません。
対抗勢力は、クラウドサービス
このシステムは、クラウド化されたアウトソーシングの登場を意識しているでしょう。
クラウド化された入力代行業者
領収書をスキャンしたり、スマートフォンで撮影すれば、そのまま会計用データに取り込めるという革命的なサービスが実現しています。
クラウド化された入力代行サービスとも呼ぶべき、これらのサービスを使えば、領収書の入力を面倒な契約を結ぶことは必要なく、面倒な作業をアウトソーシングできます。
ネットで展開されている入力代行サービスについては、以前の記事でまとめを作成しました。
参考:領収書の入力はお任せできる。入力代行サービスの比較一覧(2016年3月版)(当サイト、2016年3月18日)
クラウド会計の内部に領収書データをアップする
クラウド会計ソフトにも、便利な機能を持ったものがあります。例えば、クラウド会計ソフトfreeeでは、領収書を読み取ると、そのデータを内部に保持できます。
参照:領収書・請求書を取り込める「ファイルボックス」機能(freee)
この機能を使えば、読み取った領収書データをもとに、在宅ワークに帳簿入力を依頼できます。
ただし使ってみるとわかりますが、動作スピードがもっさりしていて、ひとつひとつの入力にスピーディーさはありません。
会計事務所と在宅ワーク
パートタイムを在宅ワーク化させることは、雇用面で魅力が増すでしょう。子育て中のママさんなど、短時間勤務の需要に応じることができます。
その一方で、新興のクラウド入力代行業者を利用することに比べて、在宅ワーク化することにどの程度メリットがあるのかという経営判断も生じるでしょう。
パートタイムの方にとっては、記帳代行業務は、在宅ワークが当たり前になると予想されます。
まとめ
領収書データをクラウド上に保管して、在宅でも入力できる環境が整備される予想図を紹介しました。
自動入力化も進んでおり、記帳代行業務は今後縮小に向かうと考えられています。
職場としての会計事務所というイメージも、クラウド化の影響を受けてどんどん変わっていく未来図が予想されます。