クラウド会計でクレジットカードの利用明細を連携し、仕訳データとして取り込んでいる方も多いでしょう。
これはとても便利な機能ですが、連携するクレジットカードでキャッシングすると、取り込まれた仕訳と支払額の間に、差額の生じるケースが見られました。
説明のポイント
- クラウド会計に連携するクレジットカードでキャッシングすると、残高がズレる可能性あり
- 決算時は、帳簿残高と実際の資料を付き合わせて、数字の一致をチェックすること
クラウド会計の利便性
人気を博しているクラウド会計。
銀行口座やクレジットカードの利用明細から、仕訳データとして直接取り込めるという機能を持ち、利便性を大きく向上させています。
この機能を積極的に推し進めたクラウド会計ソフトとして、freeeとMFクラウド会計が有名です。この2つのサービスは、大きくシェアを伸ばしています。
クレジットカードでキャッシングすると、残高がズレる?
以前から気になっていたことですが、クラウド会計に登録しているクレジットカードでキャッシングを行うと、残高のズレが生じるという問題があります。
- JCBカード+MFクラウド会計
- JCBカード+freee
の組み合わせで、ズレる現象を確認したのでお知らせしておきます。
例えば、海外出張の多い事業主で、現地通貨をクレジットカードで引き出している場合は注意してください。
ズレが生じたケース
以下はJCBのクレジットカードの明細表です。
まず、海外で現地通貨で引き出しましたので、当日の為替レートで換算し、6,703円(左側の数字)になりました。
この海外キャッシングには、カード会社からの利息が上乗せされるため、カード会社への支払額は6,808円(右側の数字)になります。
この海外キャッシングについて、クラウド会計に自動連携された仕訳で見ると、「6,703円」になっています。キャッシング利息の105円は考慮されていません。
解決策
このズレを一致させるため、利息分105円の仕訳を手入力しましょう。
まとめ
クラウド会計が普及しつつあり、複式簿記で決算書を作成することは、以前よりも敷居が下がった感もあります。
決算書の「貸借対照表」について、税務署への提出前に次の点を確認しましょう。
- 貸借対照表の「普通預金」の残高と、決算日時点の通帳の数字は一致しているか?
- 貸借対照表の「未払金」の残高と、決算日時点のクレジットカードの未払分の残高は一致しているか?
会計ソフトに不慣れな人ほど、なんらかの誤った操作により、残高のズレている可能性が高いので要注意です。