平成29年度税制改正 中小企業向けの改正情報【早わかり】

平成29年度税制改正大綱

平成29年度の税制改正大綱が、与党から発表されました。これに基づき、中小企業に影響のある内容を抜粋して紹介します。

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中小企業向けの改正情報まとめ

1.研究開発税制

研究開発税制とは?
……支出した試験研究費について、一定割合の税額控除を受けられる制度。
  • 試験研究費の対象となる費用の追加(IoT、ビッグデータ、人工知能等を活用した「第4次産業革命」のサービス開発)
  • 中小企業は12%の税額控除率を維持し、さらに上乗せ措置を設ける(17%まで。2年間)
  • 上乗せ割合:(増加割合-5%)×30%
  • 控除限度額:当期法人税額の25%→35%に引き上げ

2.所得拡大促進税制

所得拡大促進税制とは?
……支給する給与を増額した場合に、平成24年度からの増加額のうち10%(中小企業は20%)を税額控除できる制度。
  • 中小企業は現行制度を維持しつつ、税額控除率を20%→22%に引き上げ。

3.中小企業投資促進税制/中小企業経営強化税制

中小企業投資促進税制とは?
……機械装置などを取得をした場合に、取得価額の30%の特別償却or7%の税額控除(※税額控除は、個人事業主と資本金3,000万円以下の法人限定)が選択できる制度。生産性が向上する場合、さらに上乗せ措置あり。
  • 中小企業投資促進税制について、2年間延長し、対象資産から器具備品を除外。
  • これまでの上乗せ措置は、制度そのものを「中小企業経営強化税制」に変更し、中小企業等経営強化法の経営力向上計画の認定を受けたことを条件とする。すべての器具備品・建物附属設備を対象にするが、経営力向上計画に記載のあるものが条件。
  • いずれの税制も、平成29年4月1日~平成31年3月31日までに取得等。

参考16年7月施行 中小企業等経営強化法の概要まとめ(当サイト、2016年6月18日)

4.地域中核企業向け設備投資促進税制の創設

新しい税制の創設。「企業立地の促進等による地域における産業集積の形成及び活性化に関する法律」の改正に基づき、ローカルアベノミクスの推進を旗印に地方創生を支援する。
  • 地域の中核企業が、地域経済に波及効果のある高い先進性を有する事業を行う場合に、その設備投資について、特別償却・税額控除の優遇措置あり。
  • 計画について、国の確認が必要。
  • 施設・設備の取得価額の合計額が2,000万円以上。

 

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5.役員給与

役員給与の制限とは?
……月々の役員給与は、その事業年度中、毎月同額を支給する。自由に上げ下げの変更はできない(定期同額給与)。
  • 源泉所得税・社会保険料控除後の金額が同額である定期給与を認める(つまり、手取りベースの同額でもOKとする)

6.法人税率の軽減

中小法人における年800万円以下の所得は、法人税率が19%→15%に軽減されている。(年800万円を超えた税率は23.4%、平成30年度以降は23.2%)
  • 法人税の軽減税率の特例を2年延長し、平成31年3月31日開始事業年度まで適用。

7.中小企業者向けの優遇措置を、大企業に利用させない制度

大企業が資本金を1億円以下に減資し、中小企業者向けの税制を利用することが問題になっていたことへの対処。
  • 中小企業向けの租税特別措置について、前3事業年度の平均所得金額が年15億円を超える事業年度の適用を停止する。
  • 平成31年4月1日以後開始事業年度から適用。

8.非上場株式等の評価見直し

非上場株式等の評価方法のうち、類似業種比準方式の算定を見直す。この方式は、同じ業種である上場企業の株価をベースとして、自社の配当・利益・純資産を加味して株価を計算する。
  • 類似業種の上場会社の株価について、現行に課税時期の属する月以前2年間平均を加える。
  • 配当・利益・純資産の比重について、1:1:1とする。(現行は1:3:1)→利益の考慮割合が薄まる

9.事業承継税制の見直し

事業承継税制とは?
経営者から後継者へ非上場株式等を贈与・相続する場合に、納税が猶予される。贈与税・相続税の申告期限後5年間、一定の要件を満たす必要がある。
  • 雇用要件(5年間で平均8割)の緩和 ……従業員5人未満の企業が従業員1人減った場合でも適用を受けられる
  • 贈与税の相続時精算課税制度との併用を認める

参考資料

クラウド会計と税務の情報をお届けする東京都北区赤羽の税理士。好きな食べ物は、さば缶。
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